今年も参加させていただいた。

崖に沿った高い石段に、大小、おびただしい数の
狐がひしめきあうという、ユニークな神社である。
由来も興味深いのだが、住宅街の、わかりにくい
場所にある。
もったいないことに、そのせいであまり知られていない。

この大祭では、釜鳴式祈祷神事という、
古式ゆかしい神事が行われる。
(鳴釜とも呼ばれる)
釜が鳴るとその年は良いことがあると言われるのだが
昨年は残念ながら、ちらりとも鳴らなかった。
天候、環境、コツなどが大きく作用するらしい。
今年はなんとか聴きたいものだと期待は膨らむが
空は曇りがち。
どうなんだろう、こういう天気は。
神事に使われるのは、こういうもの。
釜に水を入れ、その上に真ん中が膨らんだ
樽型の蒸し器を載せる。
一見、どうということのないもの。

神事を執り行うお二人。神主さんは真金町神社の
神主も兼ねておられる本多さん、若くてハンサム。

神主さんが祝詞を上げ、巫女さんが釜の下に火を入れる。

参列者が一人ずつ、榊を神殿に捧げる。
昔は大勢の参列者で賑わったそうだが、いまは
古くからの氏子さん達が15人ほど。

そうするうちに、突然、「ぐぉ~ん」という
音が沸き起こった。
最初は、低空を飛行機が飛んでいるのかと思って
空を見上げた。
そのくらい大きくて、おなかに響くような〝異音〟だった。
しばらくしてようやく、これが釜鳴だと気づいた。
神秘的なその音に感動し、一緒に行った友人と
ただただ顔を見合わせるばかりだった。
榊を奉納した参列者は、巫女さんからお米を
少しずついただき、蒸し器の中へ入れる。
私も入れたが、蒸し器の中の空気振動が、
指先にはっきりと伝わって来た。

蒸されたお米と、釜の中の白湯は、このあとの直会の際、
参列者達に少しずつ分けていただける。
自分の住む南区で、こんな体験ができるなんて
なんともありがたいことであった。